親の家が空き家になってしまっても、維持するには税金や管理費など、様々なお金がかかります。
これらは年間いくらかかるのでしょうか。
実家を維持するために必要な固定費
実家を維持するために以下のような費用が発生します。
- ①固定資産税・・・市区町村に支払う
- ②住民税・・・市区町村に支払う
- ③管理費・・・業者に支払う
- ④修繕費・・・業者に支払う
- ⑤諸会費・・・町内会・組合に支払う
①固定資産税
固定資産税とは、土地建物にかかる税金。家が建っている市区町村に支払います。
土地の広さや建物の大きさによって額も変わってきます。
空き家の場合、平成26年までは住宅用地の軽減措置が適用され税額は通常の6分の1で済んでいました。
ところが、平成27年から「空き地対策特別措置法」の施行によって、管理状態の悪い特定空家等に規定された場合は従来の税額に戻ることになり、最大で現在の4.2倍になります。
強制撤去も?空き家対策特別措置法という法律について
②住民税は「均等割額」のみ
ここでいう住民税とは、いわゆる「住民税の均等割」のことを指します。一般的に、住民税は所得に関わらず定額で課税される均等割と、所得によって課税額が増減する所得割の合計が徴収されます。
たとえ誰も住んでいなくても土地建物がそこにあれば、「均等割額のみ」を家が建っている地方自治体へ支払う義務があります。
③管理費。驚くほど早く家は傷む
維持費でもっとも高くつくのは、管理費と修繕費です。とくに管理費は重くのしかかってきます。
管理の作業内容としては、
- 定期的に窓を開けて風邪を通して換気
- 簡単な清掃
- 水回りのチェック
- 庭の手入れ
などがあります。
これを怠ると、家は驚くほど早く傷んでいってしまいます。
最近では地元の不動産業者などが空き家の管理にも乗り出していますので、実家とは離れて暮らしているような方は検討してみてはいかがでしょうか。費用の相場は月額5万円程。
④修繕費
修繕費もまた、金額が大きいものです。10年に1度は外壁塗装や、屋根工事をする必要が出てきます。また、天災などによる破損部分を修繕することもあるでしょう。加えて地震保険や火災保険に入れば、それだけ余分にお金もかかってきます。
⑤諸会費はトラブル回避に必須
諸会費は、ご近所さんとのお付き合いにかかる費用です。
町内会費や組合費を払っておくことで、近隣とのトラブルに巻き込まれる確率はぐんと下がります。
実家維持に必要な経費の総額は?
これからの経費は総額で年間30~50万円は見ておいた方が良いでしょう。
年30万円ならなんとかなるかなと思うかもしれませんが、10年続けば300万円です。しかも、あなたの代でなんとかしないと子どもや孫世代まで負の遺産として延々と引き継がれていくことになります。
もし、「なんとなく処分するのは気が引けるからしばらくは維持しよう」ぐらいに考えているのなら、早めに売却や賃貸にすることを検討した方が良いでしょう。