誰も住んでいない空き家は、すぐに傷んでしまいます。売却するにしろ、貸し出すにしろ、空き家状態であることは大きなマイナスです。きちんとメンテナンスをしなければいけません。
今この記事を読んでいる方たちの世代を考えると、親の家は築30~40年経った木造建築がほとんどでしょう。日本は高温多湿という気候もあり、古い木造の家の老朽化を加速する一方です。
2年も放置すれば、売り物にならないのはもちろん、場合によっては「特定空家等」の烙印を押されかねません。
相次ぐ近所迷惑も責任は全て所有者に
親の家が空き屋状態になり、手入れがされないままになっていると、ご近所トラブルに巻き込まれる可能性があります。
- 枯れ葉が飛んで来て掃除が大変で迷惑している
- 境界に植えてある木の根が家の敷地にまで張り出してきている
- 雑草が多過ぎて虫が湧き、どんどん侵入してくる
- 異臭がする・・・
などなど、近隣からの苦情がきた場合、基本的に責任はその土地建物の所有者にあります。そう、親の家を相続したあなたの責任なのです。
建物は定期的にメンテナンスを
普通、家は週に1度は窓を開けて空気を入れ替えないと、熱と湿気が篭って建材の傷みに拍車がかかります。
とくに、水回りは構造上、使い続けないと簡単にダメになります。排水管内の水が枯れると、空洞になった部分から臭いが室内に入ってくるのです。一度ダメになってしまうと、メンテナンスなしには二度と使えなくなります。
悪臭も時間が経てば室内だけには留まらずご近所に迷惑をかけることになるでしょう。
庭、植木も手入れが必須
また、庭の雑草や植木の手入れも問題です。
雑草が伸び放題になれば印象が悪いだけでなく虫も湧いてきて、どんどん活動範囲を広げ、家の中まで侵入してきます。植木が過剰に大きくなり過ぎると防犯上もよくないですし、根が伸びて隣の家の敷地にまで侵食するという事態も起こるでしょう。
誰も住まなくなると、想像以上のスピードで家は傷みます。マメに手入れすることを心がけて下さい。
防犯上の問題もある
誰も住んでおらず、特に手入れもされていないとうことが周囲に知れ渡ってしまうと、敷地内にゴミを不法投棄をする人が現れる可能性もあります。
無人のゴミ屋敷になると、見た目が悪いだけでなく、異臭を放つため大変迷惑です。
窓ガラスが割れたりしたまま放置しておくと、不法侵入者が入り込む恐れもあります。
少々やんちゃな不良のたまり場になれば近隣住民からの苦情が殺到するでしょう。火遊びから近隣を巻き込むような火事に繋がる恐れがあります。
不審者やホームレス、あるいは不法滞在外国人などが定住しようものなら最悪です。そんなバカな話、と思うかもしれませんが、実際に起きていることです。それくらい、今は空き家のリスクが大きくなっています。
管理を業者に任せるという手もある
放置したままの家屋の老朽化が進むと、地震などの天災によっては倒壊の恐れも出てきます。万が一、近隣の家を巻き込んでしまっては大変です。
豪雪地帯であれば、屋根の雪下ろしも必要になります。「どうせ溶けるから大丈夫」なんて悠長なことは言ってられません。雪下ろしを放置すると、2シーズン目にはほぼ間違いなく倒壊すると言われているぐらい、家屋へのダメージが大きく、危険なのです。
こうした迷惑をかけないためには、地元の業者に管理を任せるのが良いでしょう。今は不動産業者が手を広げて管理業務を受けているところも増えています。
地域にもよりますが、管理費は年間で1万~3万円程度が相場。雪下ろしは地域によって1回で5万円程度です。
いずれにしても、放置すればするほど家の価値が下がりますし、売らないとしても管理し続けるコストはバカになりません。
売却を考えるなら、相続後の2年間が勝負です。家のメンテナンスをきちんとしつつ、仲介業者にも相談して計画的に進めましょう。