親の遺産相続について考えるような年齢になると、「人生の最終的な住まいをどこにするか」ということも気になってくるのではないでしょうか。
選択肢のひとつとして故郷へのUターンを考える人も多いでしょう。これを成功させるには、乗り越えなければいけない壁がいくつかありますが、重要なのは2つです。
- 家族の賛成
- 地元の人との交流
家族の賛成
Uターンには家族の賛成が必要不可欠。多くの夫や妻たちがUターンしたくても出来ない原因のほとんどが家族の反対です。
子どもの場合は大学生になったり社会人になって独立すれば、自分の暮らしを優先し始めるので時間が解決してくれます。
問題は夫婦間。相手が強く反対した場合、別居するわけにもいきませんし、今現在住んでいる街に永住することも決定的に都合が悪い訳でもない。そうしてUターンを諦めることになるのです。
反対を押し切ってのUターンは失敗しやすい?
反対を押し切ってUターンしたものの、相手が田舎暮らしに馴染めなかったために離婚するというケースは数多く報告されています。納得しないまま移住しても、やはり後ろ向きな気持ちでは上手くいかないものです。
また、仕事や準備の都合で、親の家を継ぐ方が先に田舎に引っ越すという手順を踏む夫婦が圧倒的に多いのですが、そのまま別居状態になってしまったり、途中の段階で関係が悪化して離婚に至るケースは少なくありません。
よそ者扱いをされないように地元民と積極的に交流を
故郷のUターンを成功させてくれるポイントになるのは家族だけではありません。地元の人です。
近い将来、Uターンする可能性があるのなら、里帰りの際に積極的に地元の友人やご近所さんたちと交流しておくべきでしょう。
地域差はありますが、現代の田舎は、よそ者を嫌う排他的な空気が薄れていると言われています。
しかし、地域への帰属意識の強い地元民が圧倒的に多いのは今も昔も変わりません。
集団に属さない人間を排除しようという心理がはたらくのも無理はありません。
都会は地方出身者が多いため集団意識を持つのが難しい分、個人の自由が尊重されます。田舎とは正反対です。今までのように自由な振る舞いをしていては、いつまで経ってもよそ者扱いです。
そうならないためにも、里帰りの際に地元の友人やご近所さんと交流を持っておくことが大切です。
実際にUターンしたら、自治会長や世話役など地元のリーダー格の人に手土産持参で挨拶することも大切。そうすることで「よそ者」ではなく「仲間」として引き立てて貰えるからです。
地元のコミュニティに溶け込むには、それなりの覚悟と準備が必要なのです。