地方に親の家がある場合、親の財産に農地・山林・空き地が含まれる人も多いのではないでしょうか。
中でも、農地と山林については、子どもたちが農業を継いだり、山林を活用する予定がない場合は、今から売却するなり同業者に譲るなり処分方法を考えておかなければなりません。
親が亡くなった後に、子どもが処分するとなると、かなり手間が掛かるからです。
農地を売る方法
登記簿上の表記は関係ない?
農地については、たとえ登記簿上で住宅地や商業地と記載されていても、農作物を育てていれば農地として扱われます(ただし、家庭菜園は除きます)。
また、「今は耕作していないだけ」という土地の場合も農地とみなされます。
農地を売るには公的機関の認可が必要
農地は、農地のまま売る場合も、宅地に転用して売る場合でも、農地法により農業委員会や都道府県知事、農林水産大臣の許可が必要になります。
当然ですが、たとえ許可が取れたとしても、買い手が現れなければ売ることは出来ません。
子どもが実家から離れて暮らしていて、親の家の近所との付き合いがないという場合には、買い手を探すのはより難しくなります。
親の農地をどうするか、売るなら誰に譲るのか、親が生きているうちにネットワークを駆使して話をつけておいてもらうなどの工夫が必要です。
農地を相続したときの手続きと期限
農地を相続した場合には、農地が所属している農業委員会へ届出が必要です。
農業委員会とは、農地の売買・賃貸の許可、転用の相談などを行う行政委員会で、多くの場合、市町村役場内に併設されています。例外もありますので事前にきちんと確認を取りましょう。役場に併設されている場合、他の手続きも同時に出来るので便利です。
農業委員会への相続の届出期限は、農地の取得を知ってから10ヶ月以内。届出をしなかったり、虚偽の届出をしたい場合には、10万円以下の過料に処せられることがあるので注意が必要です。
農地のあっせん希望
届出書には、「あっせんの希望の有無」を書く欄が設けられています(自治体によってはない場合も)。
希望しておけば、農業委員会が管理の相談に乗ってくれて、農地の借り手や引き受け手を斡旋してくれることがあります。
農地を相続しても「有効利用出来そうもない」あるいは「農業を継ぐ気がない」という場合は相談してみると良いでしょう。
山地を売る方法
山林を売るには、登記簿の確認を
山林もまた、処分しにくい土地のひとつと言われています。
都市部から離れれば離れるほど買い手がいなくなるため売却価格は下がり、山奥の山林だと1㎡100円以下での取引も珍しくありません。
また、登記簿上の公簿面積と、実測面積が大きく異なることがよくあります。一般的に、不動産は売却前に測量を行いますが、山林の場合には公簿面積で売買されるのが通例となっています。
なぜかというと、広大な山林を測量するには膨大な費用がかかってしまい費用対効果が得られないからです。
親の持つ山林について、一度、法務局で登記簿を確認しておくと良いでしょう。
登記簿の確認方法
登記簿は、登記簿謄(抄)本、または登記簿の要約書を発行することで確認できます。
※手数料
登記簿謄(抄)本(登記事項証明書)が1通につき原則600円
閲覧(要約書)が1通につき450円
①地番を確認し法務局へ
はじめに、住宅地図や固定資産税納付書で地番を確認します。
地図ではわからない、納付書が見つからない場合は、法務局備え付けの地図帳(ブルーマップ)で確認可能。
また、料金はかかってしまいますがインターネットでも登記簿(登記記録)の確認が出来ます。
②登記事項要約書交付・閲覧申請書に必要事項を記入し、交付
住所・氏名を記入し、種別(土地か建物か)にチェックし、郡市区町村から地番まで、家屋番号または所有者の名前を記入。不明点は法務局の担当者に聞いて申請書を作成します。
空き地を売る方法
空き地は今すぐにでも節税対策を
空き地(更地)の場合には、農地・山林とは事情が異なり、農山村部より、むしろ都市部の方が問題が深刻だったりします。
なぜなら、空き地は建物が建っている土地よりも税金(固定資産税)が高いからです。
節税対策としては、アパートを建てたり駐車場にして収入を得る方法があります。
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こうした土地利用を選べない状況であれば、すぐに空き地を売ってしまった方が得策です。
兄弟姉妹がいるのであれば、相続したときにどうしたいか、親とよく話し合っておきましょう。