遺品整理と遺産相続ガイド

親の家の片付け方、不要品処分から遺産相続の手続きまで

不動産、預貯金、車・・・名義変更の仕方

財産の総額を計算、遺言書の確認。遺産分割協議を行い、相続人全員の合意が得られ、相続税の申告・納付。

様々な手続き、届出の数々、大変な作業の連続で一息つきたいところですが、これで相続の全てが終わった訳ではありません。

最後に待っているのが名義変更。分割して相続した財産の名義を親から自分に変更して、ようやく相続手続きの終了となります。

そして、この名義変更の手続きに、意外と手間がかかることが多いのです。

手続き先によって必要書類も異なる

名義変更が必要な書類は、不動産や預貯金、株式、自動車、ゴルフ会員権や電話加入権などと種類が多く、手続き先も多様です。

名義変更の手続き先も多いのに、さらに、その手続きの際に必要な書類も盛りだくさん。

遺産分割協議書をはじめとして、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書など多くの書類が必要になるため、集めるだけでも一苦労です。

しかも、不動産や預貯金など、名義変更や解約をする遺産の種類によっても書類が異なります。たとえば銀行の場合は、会社ごとに必要書類が異なることもあるので、どの書類をどこの手続きのために用意したのか混乱することもあるでしょう。

チェックリストを作り、ひとつひとつ根気よく作業を進めるのが大切です。

出生から死亡までの戸籍を取り寄せる

必要書類を集める作業の中で、もっとも手間が掛かるのが、被相続人の戸籍謄本を集める作業です。

手続き先によっては、亡くなる直前の戸籍だけでなく、「故人の死亡から出生まで遡った戸籍謄本」を集めなければいけないケースが少なくありません。

どういうことかというと、過去に数回結婚歴があって子どもがいたり、嫡出子の他に認知した子どもがいる場合、その人も相続の対象になるからです。

何度も転勤を繰り返していたり、婚姻などで本籍地を移したりしていれば、すべての本籍地の役場から戸籍を取り寄せなければなりません。これが実に大変です。

戸籍謄本は郵送でも取り寄せることが出来る

戸籍謄本はわざわざ遠隔地の役場などに取りに行くのは面倒ですよね?

郵送でも対応してくれるのでうまく活用しましょう。

戸籍謄本:1通450円。

除籍謄本:1通750円。
※記載されている全員が死亡、もしくは全員が戸籍を移籍したなどの理由でその戸籍に誰もいなくなったもの

原戸籍:1通750円。
※戸籍の様式変更が行われる前の様式で記載されたもの

必要な金額の郵便小為替と返信用封筒を同封して、役場へ郵送することで請求出来ます。

返却してもらえる場合は、使い回す

こうした書類も数が多くなると発行費用は馬鹿になりません。

手続き先によっては、名義変更の手続きが終わったら返却してくれる場合もあります。事前に返却してもらえるかどうか確認し、必要枚数をきちんと計算してから取り寄せて上手に節約しましょう。

主な相続財産の名義変更手続き先と内容

財産 手続内容 手続き先 費用
不動産 ・所有権移転登記 ・法務局 ・固定資産評価額の
 1,000分の1
・司法書士への手数料※1
預貯金 ・名義変更 各金融機関 振り込み手数料
株式 ・名義書き換え ・株主名簿管理人
(信託銀行など)
・証券会社
・手数料※2
自動車 ・移転登録 ・陸運支局
・検査登録事務所
・手数料500円
ゴルフ会員権 ・名義書き換え ・所属ゴルフ場 ・ゴルフ場による
クレジットカード ・解約手続き ・各クレジットカード会社 ・無料※3
電話加入権 ・名義変更 ・NTT ・無料

※1. 司法書士への手数料は、遺産の額・内容、相続人の関係等によって変わります。
※2. 株主名簿管理人(信託銀行など)は無料。証券会社の場合は、各会社所定の手数料がかかります。
※3. 手続きの手数料は無料ですが、残債がある場合はマイナスの財産として扱われます。