遺品整理と遺産相続ガイド

親の家の片付け方、不要品処分から遺産相続の手続きまで

期限に注意!親が亡くなったらやる役所への届出・相続の手続のチェックリスト

親が亡くなってから相続を終えるまで、残された家族は少なくとも初めの1ヶ月は様々な手続きに追われ、慌ただしい日々を過ごすことになります。

親の訃報(ふほう)を受け取った直後から、通夜や告別式の手配の他、親族・知人への連絡といった葬儀関係の手続きが始まります。そして、役所への届出、給付金の請求から相続の手続きまで同時進行しなければなりません。

一連の手続きの中には、期限が定められているものも少なくないので注意が必要です。予めリストを用意しておいて、順番にチェックしながら進めると良いでしょう。

役所への届出、給付金の請求

一番最初は死亡届(7日以内)

主な手続きの中で、もっとも早急にすべき手続きが、期限が7日以内と定められている死亡届です。

死亡届の提出が期限を過ぎてしまうとどうなるのでしょうか?

「正当な理由なく届出が遅れた場合には、3万円以下の過料を徴収される」ことがあるので注意して下さい。また、日本以外の国外で死亡した際の届出の期限は、死亡を知った日から3ヶ月以内です。

役所への届け出が中心(14日以内)

14日以内に届け出る必要があるのが、役所への各種手続きです。速やかに行いましょう。

健康保険証の返還や、年金受給手続き介護保険資格喪失届けや、故人が3人以上の世帯の世帯主だった場合には世帯主の変更届住民票の末梢届けなどがあります。

※記事後半にリストを掲載

準確定申告も必要

死亡から4ヶ月以内には、故人の所得税の準確定申告が必要です。ただし、故人が確定申告の必要がない人であれば、この手の手続は不要です。

給付金の請求

各種給付金は請求期限は2年以内となっていますが、できるだけ早めに手続した方が良いでしょう。

なぜなら、親が国民健康保険や社会保険の加入者の場合、埋葬料や葬祭費という名の一時金が出ることがあるからです。

相続の手続きにも期限のあるものが多い

相続の手続きにおいても、その期限が設けられているものが少なくありません。税金が絡んでくることですから、早めに手続きしましょう。

相続放棄・限定承認の手続き

最も急がなければならないのが、相続放棄・相続限定承認の手続きです。

これらは借金などマイナスの遺産を相続したくない場合に行う手続きですが、相続開始を知った3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出なければなりません。

バタバタしないためにも、親が元気なうちに、どんな財産がどれくらいあるのか、きちんと話し合って確認しておきましょう。

参考:親に借金がある場合、生前に確認しておきたいこと

相続税の申告

相続税の申告は、相続開始から10ヶ月以内が期限となっています。

まずは、親が遺言書を残しているかどうかを確認しなければなりません。

自筆の遺言書があった場合には、家庭裁判所で遺言書を確認する「検認」という作業が必要です。

そして、遺産分割協議で相続人全員の合意を得た上で、分割の割合に従って相続人は相続税の計算をしておく必要が出てきます。

参考:遺言書を準備して相続のトラブルを回避する

電話加入権は相続財産?

親世代のほとんどは自宅に電話回線を敷いているはず。当時はIP電話などありませんでしから、皆NTTから電話加入権を購入していました。

実はこの「電話加入権」も立派な相続財産になります。その評価額は全国一律で1500円(平成27年時点)です。

金額はわずかですが、相続税の申告には相続財産として含めなければなりません。

事前の準備をして、計画的に手続きを進めましょう

このように、親が亡くなると、残された家族は悲しんでいる暇がないほど多くの煩雑な手続きが待ち受けています。

落ち着いて親を送り出し、気持ちを整理する時間を作るためにも、事前に準備できることは今からやっておきましょう。

親も自分もお互いが元気なうちに、しっかりと話し合っておけば、いざというときも慌てず、確実に手続きを進めることが出来ます。

関連:親が存命中に確認しておきたい7つのチェックリスト

親が亡くなったらやる手続・届出リスト

7日以内

  • 死亡届の提出
  • 年金受給停止
  • 健康保険証の返還

14日以内

  • 国民健康保険証の返還
  • 国民年金受給停止
  • 介護保険資格喪失
  • 住民票の末梢
  • 世帯主変更

1ヶ月以内

  • 雇用保険証の返還

1ヶ月~3ヶ月以内

  • クレジットカードの解約
  • 携帯電話・固定電話の名義変更、解約
  • 運転免許証の返還
  • パスポートの返還
  • シルバーパス(老人優待パス)の返還
  • 身体障害者手帳の返還
  • 国家資格の返還(資格がある場合)
  • 定期購入しているネット通販などの解約
  • 公共料金、公共放送の名義変更、解約
  • ※遺言書調査・相続調査
  • ※遺産分割協議
  • ※相続放棄

4ヶ月以内

  • 準確定申告

10ヶ月以内

  • ※相続税申告
  • ※各種相続財産の名義変更

1年以内

  • ※遺留分の減殺請求

2年以内

  • ※生命保険金の請求
  • 国民年金の死亡一時金の請求
  • 健康保険の埋葬料・葬祭費の請求
  • 国民年金の寡婦年金の請求

5年以内

  • 遺族年金の請求
  • 労災保険の遺族補償給付の請求