相続の手続きで一番最初にするべきこと、そして一番大切なのが相続財産の総額を把握する作業。
これがとても大変で、その内容は多岐に渡り複雑です。
総額財産の「総額」ですから、「プラスの財産」だけでなく「マイナスの財産」も含め、すべてを洗い出す必要があります。
プラスの財産を算出する
金融資産・不動産・動産
財産は、主に金融資産、不動産、その他の動産に分けられます。
金融資産は、現金・預貯金をはじめ、株式・債券・投資信託・会員権などの有価証券。
不動産は、自宅の建物・土地、賃貸の建物、土地など。
動産は、自動車や書画、貴金属の他、家財道具なども含まれます。
さらに、親が自営業や、会社経営者などの場合には、自社の株式、売掛金や特許権・著作権なども相続財産とされます。
財産総額の計算は意外と複雑
問題は、これらの財産の価値がどのくらいになるかという財産総額です。
そのためには、財産の価値をひとつひとつ算出し、総額を計算する必要があります。
現金・預貯金、株式などの金融資産は、亡くなった日の残高や時価で算出されるため、計算は比較的簡単です。
ところが不動産の場合はそうもいきません。税理士などの専門家に相談が必要になるケースが多いです。
故人が所有していた自宅の土地建物の場合、そのまま相続人が住み続けるのであれば、国税庁のホームページで土地の価格を路線価を元に調べたり、建物であれば固定資産税評価額を確認して概算を把握することが出来ます。
ところが、故人がアパートなどの賃貸で不動産運営を行っていた場合には、貸家権割合や借地権割合なども含めて算出しなければならなくなります。
父親が個人経営していたい会社の株式など、非上場会社の株式も財産評価が非常に面倒です。
複雑な計算が必要になるものが多い場合は、税理士に相談してみましょう。
マイナス財産や、みなし財産も算出する
相続では、プラスの財産と同様にマイナスの財産も把握しておく必要があります。
マイナスの財産で代表的なものは、住宅・リフォームローンや、車のローンです。他にはスマートフォンや携帯電話を分割で購入している場合や、クレジットカードの未払い代金、滞納している税金もマイナスの財産となります。
みなし財産の内容と控除
みなし財産とは、生命保険金や死亡退職金など、生きている間は財産ではなくても、故人の死亡により入ってくるものを指し、相続税の対象になります。
みなし財産は「500万円 × 法定相続人の数」に相当する額を控除することが出来ます。
相続財産を算出し、相続税が決定する
このように、プラスの財産とみなし財産、マイナスの財産を差し引いた残りの額を合算したものが、相続財産の総額となる訳です。
プラスの財産が多ければ、自然と財産総額は大きくなり、相続税がかかってくる可能性があります。
相続税の詳細については、こちら↓
相続税の計算方法
相続税を算出するためにも、まずは財産総額の概算を把握しておきましょう。